予算にあわせたWeb制作の提案スタイル
Web制作費は、いただいた予算にあわせて提案する内容を決めています。 私は予算で仕事を選びません。 30万円でも150万円でも、事業の状況とフェーズから判断して、最善と思う内容を提案し制作させていただいております。
最近、AIの台頭から価格競争に飲み込まれないよう単価を上げていくべきだ、という考え方もよく見かけるようになりました。 そういう選び方があるのも確かです。
しかし、私の基準は別です。 ご相談いただいた事業にとって何が最善なのかを考えて、提案し、ご提供しています。
予算に合わせて何が提案できるかを考える
予算は、その事業がいまどの段階にあるかで決まります。 開業の準備で手元の資金を配分している方と、事業が回っていて次の投資先を選んでいる方では、出せる金額が変わってきます。
私は、いただいた予算の中で何ができるかを考えて提案しています。
安く請けて多くの案件を獲得することが目的ではありません。 予算に合わせて量と機能を決めています。
安く請ける意識だと、クライアントにも私にもいいことはないことを理解しているからです。 双方にとって良い制作にするために、限られた予算のなかでも最善を尽くすのが私のスタイルです。
30万円の予算で何ができるかを考える
たとえば、事業開始から数年経過して「ホームページが欲しい。予算は30万円です。」と相談されたときに私が出す案の一例です。
事業内容の1ページを作り込む
何をやっている事業なのかがそのページだけで伝わるよう、取り扱っている内容、対応できる範囲、依頼したときの流れまでを1ページで表現します。 訪問した人が他のページを探さずに判断できるので、ページ数が少なくても問い合わせにつながりやすくなります。
プロフィールページでご自身をアピールする
人で選ばれる事業なら、経歴や考えていることを読ませるページを用意します。 担当する人がそのままサービスのクオリティになる事業では、事業内容の説明よりも本人の情報が判断材料になるからです。 写真とあわせて、どういう考えで仕事をしているかを作り込みます。
サービスの内容と料金を1ページにまとめる
見た人が問い合わせるところまで、迷わず進める構造で制作します。 料金を提示できる事業であれば、金額と含まれる内容を合わせて掲載します。 問い合わせの前に具体的な費用感が分かると、相談のときの話が早く進むのが特徴です。
実績を写真中心で設計する
説明よりも実績を見せたほうが効果的な事業では、写真の見せ方を工夫します。 文章を少なめに画像を多く掲載するデザインは、難易度が高くなります。 画像がより魅力的に見えるデザインに予算をかけるイメージです。
同じ30万円でも開業準備中なら提案が変わる
同じ30万円でも、開業の準備中の方であれば提案は変わります。 1ページを作り込むよりも事業を紹介する数ページのサイトをおすすめすることが多いです。
事業内容と会社情報を数ページに分けて紹介する
まず何をする事業なのかがすぐ分かる状態にします。 トップ、事業内容、会社情報、お問い合わせといった構成です。
取引先や金融機関、補助金の申請でサイトを見られる場面があるので、企業の基本的な情報に、分かりやすくアクセスできる状態を優先します。
また、事業内容や方向性が固まったときに、作り直さずに追加できるようにします。 ナビゲーションの並びやページの階層に、あとで足せる余白を残しておく作りで用意しておきます。
事業内容や方向性を見出していない段階から方向性を1つに決めてサイトを作り込んでも、数カ月で変更の可能性は高いです。そこに使った予算も無駄になりかねません。
なので、開業のときは後から変更できることを前提に公開することをおすすめしています。
ちなみに、この考え方をそのまま1つのサービスにしたのが、開業スタートパックです。 ロゴとWebサイト5ページを、制作開始から15営業日で公開する内容になっています。 開業のときに必要になるものをまとめているので、制作がスムーズにスタートできます。
予算に合わせて調整するのは量と機能
予算が限られているときに私が調整するのは、ページ数やコンテンツの量、実装する機能です。 調整する対象として、次のようなものがあります。
ページ数
5ページを1〜2ページにする、といった調整です。 ページを減らしても、掲載する情報の質と構成を工夫すればしっかり伝わるサイトになります。 分散していた内容が1か所にまとまって、逆に情報を取得しやすくなることもあります。
コンテンツのボリューム
1ページに載せる内容を絞ります。 文章量や掲載する項目を減らせば、原稿の作成と確認にかかる時間も少なくなるからです。 読む側にとっても、情報を限定することで分かりやすくなる場合があります。
アニメーション
ほどよい動きがあることでリッチな体験を提供できるのですが、アニメーションがなくても伝わり方は変わりません。 予算を削るときに、最初に外す候補になります。
機能の簡素化
検索や絞り込みなどを外して、必要なものだけを実装します。 掲載件数が少ないうちは、一覧をそのまま並べたほうが早く情報にたどり着けるからです。 情報量と件数が増えてきたときに追加するかたちで十分です。
掲載する文章
私の制作では、ヒアリングや事業内容に合わせて情報を設計し、私が仮の文章をご用意します。これをたたき台として、クライアントに文章をご用意いただきます。
ただ、予算の都合で難しい場合は、私が用意せず、クライアントにて作成いただきます。
事業の内容をいちばん分かっているのはご自身です。 原稿をいただければ、その分の予算をデザインや設計に使うことができます。
更新できる範囲
管理画面から更新できるページを絞り、更新頻度の高いところだけにします。 全ページを更新できるようにすると、その設定と動作確認に時間がかかります。 実際に更新するのはお知らせのみ、という場合が多いです。
予算が潤沢にある場合の提案
逆に予算に余裕があれば、量も機能も潤沢にできます。 ページ数を増やし、写真撮影を依頼し、文章もライターさんに依頼し、公開の時点から作り込んだサイトを用意できますし、動きをつけた見せ方や更新のしやすい環境もご提供できます。
ただ、これもフェーズ次第です。 予算があるからといって方向性の決まっていない段階で作り込めば、先述した開業のときと同じように無駄な予算となる可能性が出てきます。 状況にあわせての提案が必要です。
事業の状況で判断する
ご相談をいただいたとき、私が先にうかがうのは事業の状況です。
事業のフェーズ、届けたい相手、サイトに期待する結果。 この3つを整理すると、同じ予算でも提案内容は変わります。
「限られた予算」と聞くと制約として受けとられがちですが、私は判断の基準にはしていません。 基準にしているのは、状況と環境とフェーズです。
WordPressにするか静的サイトにするかも同じ考え方で決めています。 こちらは別の記事に書きました。
私のできる範囲で提案する
AIが普及しつつあり、最近デザイン制作の相場が下がっているという話を見かけます。 ただ、私は金額で仕事を選びません。
30万円でも150万円でも、うかがった状況の中で私にできる最善を考えて提案します。 予算に合わせて調整するのは作る量と機能なので、金額によって仕事の質が変わることはありません。
事業にとって最善の提案は何なのか。 常に考え、提供しております。